しいの木

 子供の頃の事をよく思い出す

インドは昔の日本みたいや

 
あくまでも私の範囲内の感じやけど
 

家の庭にはとても気に入っていたでかいしいの木があった

しいの実はどんぐりの小さい版の実を作って

下に勝手に落ちる

それを拾って、たっぷりの水に入れると浮いてくるやつがある

それは中に白い虫が先に居て

そのしいの実はその虫の物

味は何に例えられるかな

どんな味って説明出来やんけど

白い実で種なだけに栄養がしっかりありそうな感じ

しいの木にはでっかい穴があって

怖くてあまり奥をのぞいた事は無いんやけど

中にムササビが住んでいる

時々夜、祖母の部屋の窓に張り付いていたりする

しいの木の下の方には枝が無くて

上の方にしか緑が無い

一度家にサルが住み着いたのも

しいの実がいいご飯になったんやろうなぁ

丁度家庭訪問の日、サルは居なくなった

お店をやっている頃

その祖母の部屋の真隣に立っていたでっかいしいの木は

でっかい音を立てて勝手に倒れたって言う電話があった

そのでか過ぎる木は家の方にも

家の前にある茶畑にも

隣の親戚でも無いのに同じ名字の人の家にも倒れず

松やら椿が植えてある所でも無く

ただ綺麗にただ何も無い縁側に倒れた

初めてしいの木の上の方を見れた

色んな生き物と一緒に生活しとる様な雰囲気やった

私の家のお風呂は

一度屋根に上げて太陽の力でお水を暖め

最後に薪で仕上げる仕組みになっている

きっとその薪になるんやろうな